12月ワークショップ「小さなクリスマスツリー」のアレンジメント受付中です。
⇒ 詳細はこちら 受付終了
**********
「陶子は胸のなかでつぶやいた。花を買った日は、自分が丁寧に生活をしているという気がして気分がいい。」ー江國香織『薔薇の木 枇杷の木 檸檬の木』ー
江國さんの作品はどれも好きですが、この一文はとてもお気に入りの一文です。
「花のある暮らし」と聞くと手間のかかることをしている、と思われがちなような気がします。
極力手間を省く、不必要なものは捨てて身軽になる断捨離的なものが世間で流行っているということも手伝っているのかもしれません。
もちろん物が少ないほうが片付けは楽だし、外で頑張ってきたんだから家の中でくらい、あれこれ考えずに最小限の動きでなんとかしたいという気持ちもめちゃくちゃ分かります。
でもそれだけでは、なんだか寂しい。
暮らしに効率化を求めると、窮屈になるような気がするんです。
まるで、家に戻っても仕事をしているようで。家事育児も仕事のように捉えてしまうと苦しい。もちろん、こなさなければならない事なんだけど。
それでも、ただこなすのではなくて、自分の生活を少しでも楽しく、明るく過ごしたいという気持ちは忘れないでいたい。もちろん家族もそうですが、何より自分自身がリラックスして楽しめるように過ごしていきたい。きっと私がリラックスして過ごすことが、家族がリラックスして過ごせる大切な要素だと思うから。
じゃあ少しでも明るく、楽しく、リラックスして過ごせるとはどういことなのか。
私にとってそれはちょっぴり手間をかけること。
その手間の一つが、季節の花を生けて楽しむことです。
たいそうな事はしなくて良い。自分が楽しいと思える範囲でちょっぴり手間をかけること。
その季節にしか出会えない一期一会のような植物との出会いを楽しむ。
彼らは自然の中で生きているから、人間のように時計に縛られて生きていません。その時の温度や湿度、日照時間など様々な自然の変化を敏感に感じ取って生きているところが魅力だと思います。
切り花は自然の営みをちょっぴり感じ取れる所が好きなのかもしれません。
それが、花屋泣かせな所でもありますが・・・。
秋は植物たちの過ごしやすい季節なので、様々な草花や実物を楽しめる絶好の季節です。部屋のお気に入りの一角にぜひお花をあしらって楽しんでみて下さいね。
クリックして応援していただけると嬉しいです。